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不動産仲介の現場知見をSaaS「仲介マスター」として事業化。構想から展開まで伴走

公開日
業種
不動産仲介業
形態
新規SaaSの立ち上げ(ゼロから構築)
領域
顧客・案件管理/生成AIによる人事評価支援
支援範囲
企画整理/要件定義/UI設計/開発/生成AI検証/運用改善
期間
約6か月
体制
クライアント責任者・現場メンバー/younap 4名
進め方
アジャイル開発(週次デモ)
不動産仲介SaaS「仲介マスター」の顧客・案件管理画面

プロジェクトサマリー

課題:不動産仲介の現場で蓄積した業務知見を、自社内の改善にとどめず、他社にも提供できるSaaSとして展開する構想がありました。そのためには、各社に共通する課題を整理し、サービスとして届ける価値と機能の優先順位を具体化する必要がありました。

対応:事業構想と現場業務の整理から伴走し、顧客・案件管理を中核とする不動産仲介SaaS「仲介マスター」をゼロから構築。事業構想から運用改善までを一つのチームで支援し、要件定義、UI設計、開発、生成AIの検証を段階的に進めました。

成果:現場知見を実際に提供できるSaaSとして形にし、事業として展開できる状態まで前進。プロダクトの有効性を確かめる導入現場では、顧客管理の工数を40%削減し、担当者ひとりあたりが対応できる顧客数も1.5倍になりました。

背景と事業目的

不動産仲介では、ひとりの担当者が複数の顧客と物件を並行して扱い、問い合わせから内見、申込、契約まで状況が絶えず変化します。こうした現場で培った業務の進め方や管理の知見を、自社だけで使う仕組みではなく、同じ課題を抱える不動産仲介会社へ届けることが新たな事業構想の出発点でした。

目指したのは、特定の現場だけに合う受託システムではありません。導入企業が無理なく使い始められ、利用データとフィードバックをもとに継続して改善できるSaaSとして「仲介マスター」を立ち上げることでした。

SaaS事業化に向けた課題

現場には、顧客情報、希望条件、紹介物件、対応履歴を管理する実践的な知見がありました。一方、それらは日々の運用や担当者の経験の中にあり、他社にも伝わるサービスの価値や共通機能として整理されていませんでした。

汎用CRMでは不動産仲介特有の案件ステータスや物件との関係を表現しづらい一方、一社の運用をそのままシステム化してもSaaSとして広げにくくなります。現場らしさを保ちながら、どの機能を共通化し、何を優先して提供するかを見極める必要がありました。

事業の仮説検証とプロダクト開発を並行し、顧客・案件管理から生成AIによる人事評価支援までを一つの設計思想でつなぐことも重要でした。企画、設計、開発を分断せず、動く画面で判断を重ねられる推進体制が求められていました。

構想から、SaaSとして展開できる状態へ

社内向けの業務改善ツールをつくるのではなく、現場知見をサービスとして整理し、継続して提供・改善できる事業の基盤をつくりました。

Before

導入前

現場知見と事業構想はあるものの、SaaSとしての価値や開発の進め方が定まっていない状態
01
現場知見が未整理 業務の工夫が、サービスの価値や機能になっていない
02
SaaSの要件が不明確 共通化する範囲と開発の優先順位を検討中
03
推進方法を具体化できていない 事業検証とプロダクト開発を並行する体制が必要
After

導入後

現場知見を「仲介マスター」として形にし、提供と改善を続けられるSaaS事業の基盤が整った状態
01
SaaSとして事業化 顧客・案件管理とAI支援を一つのサービスとして提供
02
構想から展開まで伴走 事業整理、設計、開発、検証、運用改善を一貫支援
03
継続して育てる基盤 週次デモと利用現場の声を次の改善へ反映

younapを選んだ理由

ご相談時に評価いただいたのは、決められた仕様を実装するだけでなく、現場の知見をSaaSの価値として整理し、事業とプロダクトの優先順位まで一緒に考えられる点でした。業務システムの構築と生成AIの検証を別々のチームへ依頼せず、構想から展開まで一つの設計思想で進められることも選定理由になりました。

少人数のチームで事業責任者と開発メンバーが直接会話し、毎週動く画面を確認できる進め方も重視されました。新規事業では前提が変わることを織り込み、検証結果に応じて提供価値と開発の優先順位を変えられる体制を組みました。

支援内容とプロジェクト体制

約6か月のプロジェクトとして、クライアントの事業責任者・現場メンバーと、younapのPM、デザイナー、フロントエンド・バックエンド兼AIエンジニアによる混成チームを編成。企画の整理、要件定義、UI設計、システム開発、生成AIの検証、リリース後の改善まで一貫して支援しました。

最初のフェーズでは現場へのヒアリングと業務フローの可視化を行い、操作可能なプロトタイプで入力手順を検証しました。次に顧客・案件管理の中核機能を実装し、日常業務で使える状態を先につくってから、蓄積したデータを活用する人事評価支援へ範囲を広げました。

設計・実装上の工夫

最初から機能一覧を決めるのではなく、問い合わせから契約までの業務を分解し、「顧客」「物件」「案件」「活動履歴」「次の対応」を中心に情報を整理しました。画面ごとにデータを持たせず、同じ情報を一度の入力で再利用できる構造にすることで、転記を減らしながら案件の全体像を追えるようにしています。

入力項目は多ければよいとは考えず、案件の状態に応じて、その時点で必要な項目と次のアクションを示す設計にしました。現場の要望をすべて一度に実装せず、利用頻度と事業への影響を基準に優先順位を決め、週次デモで確かめながら調整しています。

生成AIは担当者を自動で評価するためではなく、日々の活動記録から根拠となる事実を整理し、管理者が確認する評価材料のたたき台をつくる役割に限定しました。最終判断を人が担う前提にすることで、判断過程を確認できることと、評価準備の効率化を両立させています。

SaaS展開と導入成果

顧客管理にかかる工数

40%削減

担当者ひとりあたりの顧客数

1.5倍に増加

※ 数値はクライアントへのヒアリングによる導入前後の比較値で、掲載許可を得ています。

導入後の変化

現場で培った業務の進め方を「仲介マスター」として体系化し、自社内の改善にとどまらず、他の不動産仲介会社へ提供できるSaaSとして展開するところまで進めました。構想段階から同じチームで伴走したことで、事業上の判断を画面と機能へ素早く反映し、提供後も改善を続けられる基盤が整っています。

導入現場では、顧客と案件の情報をひとつの流れで管理することで顧客管理の工数を40%削減し、担当者ひとりあたりが対応できる顧客数は1.5倍に増加しました。これらの変化は、プロダクトが現場で価値を生むことを確かめ、SaaSとして展開していくうえでの実績にもなっています。

お客様の声

「自社の業務を改善するだけでなく、現場で培った知見を他の不動産仲介会社にも使ってもらえるサービスにしたいと考えていました。younapには、業務の整理だけでなく、SaaSとして何を価値にするか、どの機能から形にするかという段階から一緒に支援してもらいました。毎週、動く画面を見ながら判断できたことで、構想をプロダクトへ落とし込み、実際に展開できるところまで進められたことが大きかったです」— プロジェクト責任者

SaaSとしての今後の展望

今後は、導入企業の利用データと現場からのフィードバックをもとに、入力負担をさらに減らしながら、管理者向けの分析機能を強化していく予定です。案件の停滞を早期に把握する仕組みや、顧客に合う提案候補の整理など、蓄積したデータを日々の意思決定へ還元する機能も検討しています。

生成AIによる人事評価支援についても、評価を自動化するのではなく、根拠の確認しやすさとフィードバックの質を高める方向で改善を継続します。younapは、導入企業ごとの声をプロダクト全体の改善へつなげながら、仲介マスターを継続的に成長するSaaSとして育てる取り組みを支援します。

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